日日是好日

日々や旅をマイペースにつづります

ひとり旅 加計呂麻島 6/25

サンドイッチカフェで朝ごはん(野菜サルササンド&コーヒー)を食べ、いざ南下!
バスに乗って古仁屋へ。

10時前に昭和荘へ着く。
素泊まり1500円の気配り手作りたっぷりの宿。
この旅・人生2回目の原チャを借りて港へ向かう。

与那国島は信号が無かったし一車線だったからただ進むのみだったけれど、奄美大島は信号がある。
車線数によってルールが違った気もするけれど、横断歩道は原チャから降りて歩くのか・走り抜けていいのか分からず、チャリと同じ動きになる。
島だからなんとかなったけれど、絶対東京で乗ったらあかん。

加計呂麻島にはご飯を食べるところが数カ所しかなく、時間も限られているから、船で渡る前に食料を買っていくべし、と聞いたけれど、原チャに操られ過ぎて買えず!
バナナクリームパンを港で買って、原チャを積んで加計呂麻島へ渡る。
島をぐるりと一周回る予定。

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命を感じる、大きな大きなガジュマルの木。

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緑のトンネルの下にはベンチ。
ここで喋っているおじさんたちがいて絵になっていた。

至る所に手作りの小屋がある。
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黒いワンコものんびり。
小屋の向こうは海。プライベートビーチみたい。
島の人はこんな感じちょいちょいと第2の家を作ってしまうんだろうな。すごいな。

大きな道沿いに原チャを走らせると、ちょっとボロい民宿兼食堂があった。
入ってみると、ヤギみたいなかわいらしい目をしたおばあちゃんがひとり。
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特にメニューがなく、「うどんがいい?炒め物がいい?卵焼き食べる?」と聞かれたので、卵焼きと炒め物をお願いした。

まず卵焼きが出てきたのだけれど、とても大きい。卵3つ分!
コレステロール。。恐ろしい。

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続いて、猪肉の野菜炒め・ニンニクの蜂蜜漬け・らっきょの甘酢漬け・もずくとジャガイモの味噌汁。
ニンニクとらっきょは好きなだけ食べていい、ってタッパーごと出してくれた。

野菜ともずくはおばあちゃんが採ったもの、猪は先日獲ったもの。
おばあちゃんは88歳だけど、いつもニンニクを食べているから農作業もへっちゃららしい。

途中、九州電力の人が電気代を収集しにやってきた。月2.7万!うち1.8万が集落負担代(街灯)らしい。
嘘でしょ?!お店やってるって言ってもそんな冷蔵庫も製氷機も大きくないし、明細も印ない適当な手書きの紙ぺらが領収書だし、ありえん!島ってそんなもんなの?
しょうがないわねぇという感じで、ばあちゃんは支払っていたけれど、それぼったくりじゃないの?事情はよくわからないけれど、なんだかな。切なくなる。

その後、豆大福を出してくれたけれど、お腹と気持ちがいっぱいだから、おやつにいただいて、水筒の中身を補充させてもらい、お会計(いくらがいい?と聞かれる。そうこられるとなかなか悩む)を済ませてお店を出る。
姿が見えなくなるまで手を振ってくれた。

親や家族がたかられないようにちゃんと細かいところまで見よう、と強く思った。生活やお金、その時守れる自分でいたい。

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不思議な階段のある桟橋。

島を半分くらい回ったところでポツポツと雨が降ってきた。
そしてどしゃ降り。
屋根を求めてとにかく原チャで飛ばす。
レインコートを着ていても、雨粒が痛い。冷たい。景色を味わう余裕なんてない。

なかなか雨宿り出来そうな場所がなく、港の待合所で時間を潰すことに。16時。
待合所の一角に、島の小さな図書室のような畳3畳ほどのスペースがある。
レインコートやタオルを近くの棚に干して、そこにあった内館牧子の週末婚を読む。
怖い。怖すぎる。その上、寒いし人恋しくなる。

18時の船に乗り、古仁屋へ戻り、クタクタになって宿に帰り、手作りお風呂(シャワー)に入る。
生き返るー
もう雨は上がり、宿主のナオミさんが庭で飲もうと誘ってくれた。

近くの商店でおつまみとお酒を買って、20時過ぎに晩酌スタート!
庭で採れたナスのカルパッチョとゴーヤのそーめんちゃんぷるーを振舞ってくれた。おいしい♪

宿主のタケさんとナオミさんは5年前に西表島のスーパーで出会って、一緒にキャンプ生活をしながら北上して、奄美に着いて、この地を気に入って&空き家があると聞いて、そこを自分たちの理想の宿にしたいと、昭和荘を始めた。
だから、手作りであたたかみがある。手書きのメッセージもたくさん。
人生転がってるなぁ。いい!
キャンパーサバイバル話も笑えた。

そして宿(ゲストハウス)についてたくさん質問を受けた。決め手・高ポイント・これは嫌、とか。
宿主の体臭が宿中に蔓延していて息をしたくなかったり、水周りが汚すぎて洗い場に足を踏み入れることが不快だったり、安宿だから仕方ないのかもしれないけれど、いろいろある。
あとは、宿は客とオーナーがつくるもの論。

宿の話になった途端、タケさんも前のめりになった。
2人は本当にこの島と宿が好きで、よくしたいと思っていることがひしひしと伝わってくる。
こんなに頑張る同世代(おそらく)がここにもいた。

お腹もいっぱいになって、たくさん喋って打ち解けたところで、ナイトツアースタート!
タケさんの運転でスモーク状の雲がかかる山の中を進む。
黒ウサギ・のっそりカエル・コウモリ・ぴょこぴょこ子ガエル・ヘビ。天然記念物があちこちにいた。

寒いし怖いし気の毒になった複雑加計呂麻島からのあたたか昭和荘。
八重山と奄美は当然ながら空気が違って、八重山の方が好きだと、どしゃ降りの中爆走しながら思った。
でも、2人に会えて奄美もいいかも、と、初めて思えた。それが何より嬉しい。

自分も相手も大切にするってどういうことなのかなぁ、と考えさせられる夜。
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